昔のエピソードを思い出しました。
聴覚に障害を持つ娘に、どうやって言葉を教えるかは私の命題でした。
小さい時から、テレビの下には「テレビ」と張り紙をし、窓には「まど」。
ドアには「ドア」と書いて、言葉の数を増やしていきました。
「が」という助詞を自分のものにするために、「お兄ちゃんがかえってきました」「なみちゃんがおやつをたべました」・・・という具合に壁は張り紙だらけです。
お陰で、聞こえなくても目で覚えるので国語は得意です。
ところが漢字が増えるに当たり、いろいろエピソードが生じます。
団子汁を食べながらのおしゃべりしていたら、「なかあきのめいげつ」って言うのです。
最初は何?
「なかあきのめいげつ?」
「中秋の名月」を目で読むものだから「なかあきのめいげつ」と読んだんですね。
「名月」は「めいげつ」と読めたことをすごく褒めてやって、しばらく私も「なかあきのめいげつ」って言ってました。
毎年のこの時季になると、「団子汁となかあきのめいげつ」を思い出します。
他にも「とおやまのかねさん」とかね。